ブログ京橋店

2017.11.16

蕪について

実りの秋を迎え、旬の味覚の多彩な顔ぶれが並びました。そんなたくさんの食材の中から今回は蕪について触れてみたいと思います。

 

しばしの間、お付き合いください。

 

蕪とは

蕪はアブラナ科アブラナ属の越年草。代表的な野菜の一つで、別名はカブラ、カブナ、カブラナ、スズナ、ホウサイ、ダイトウナなど数多くあります。「カブ」の語源は諸説あり、頭を意味する「かぶり」、根を意味する「株」、またはカブラの女房詞である「オカブ」からとされています。

 

蕪は世界中で栽培されていますが、分類上はアフガニスタン原産のアジア系と、中近東から地中海沿岸原産のヨーロッパ系との2変種に分けられます。原産地についてはヨーロッパもしくは中央アジア起源の一元説や二元説があります。歴史は古く、中国では詩経に記載され、ヨーロッパ系も古代ギリシャの史料にもみることができます。ただし、ヨーロッパで広く普及したのは16世紀からで、飼料用途が多かったようです。東ヨーロッパなど寒冷な地では冬場の貴重な食料源や救荒植物として活用されました。

 

肥大した球形の根を可食部として利用しますが、この部分は発生学上胚軸と呼ばれる部位で、本当の根はその下に伸びたひげ状の部位に相当し、通常は食用とせずに切り捨てられます。

 

漬物用や薬味用などではこの胚軸が大根のようにながく伸びます。一方で野沢菜はここがほとんど肥大しません。胚軸及び根は多くの場合白色ですが、赤色で赤カブと呼ばれるものもあり、東日本に多いとされる一方、「黄河紅丸」など、最近中国から導入された品種もあります。根の部分の栄養素は大根とほぼ同じで、葉にはカロテン、ビタミンC、食物繊維が豊富に含まれています。アブラナ科に共通する苦味や辛味はありますが、カブはなかでも甘味が強く、寒い時期ほど甘味は強まります。

 

かぶな、すずなはともに冬の季語で、その白さを降雪に関連付けられた詩歌が見られます。

蕪の葉はスズナ(鈴菜、根の形をすずに見立てた)として、春の七草にも数えられていて、現代でも葉が付いた状態で販売されていることが多くあります。量は少ないながらも約80品種が生産され、多様な品種が存在した伝統野菜の代表例でもあります。白くやわらかいのが特徴です。

代表的な蕪といたしましては

 

⦿聖護院かぶ(しょうごいんかぶ):日本最大とされ、京都名物千枚漬けの材料。大きいものは重さ5kg

⦿天王寺かぶ(てんのうじかぶ):西日本で利用される代表的な中型種

⦿温海かぶ(あつみかぶ):かのかぶとも。山形県鶴岡市温海地区の特産で、焼き畑栽培が特徴の赤カブ

⦿日野菜かぶ(ひのなかぶ):滋賀県特産で、ダイコンのように細長く、首が赤い。漬物にされる。

 

蕪を使った料理と選び方

カブは長く煮込む料理にはあまり向きませんが、煮物でも含ませて餡かけや、すりおろしてかぶら蒸しにしたり、炒めもの、温サラダ、漬物(ピクルス)など他にも酢の物にも、色々アレンジして様々な料理に使用して楽しめます。大根よりもやわらかくて煮えやすいので短時間の煮物や、風呂吹き、ポトフなど味がしみやすくて上品な感じで召し上がれます。

 

美味しいカブの選び方としては、葉が活き活きとしたグリーンでシャキッとしているもの。しなびているものは、収穫してから時間が経っていると考えてよいでしょう。また、根の色が真っ白か、赤カブなどの場合は鮮やかな紅色をしていて、艶があるものを選びましょう。持った時にずっしりと重みを感じるもののほうが、水分がしっかりと詰まり美味しいはずです。

 

カブの保存方法としては、大根などと同じように、買ってきたらまず葉を根元から切り落とし、根の部分と別々に保存します。付けたままにしておくと葉に水分や養分を吸い取られスが入りやすくなります。根も葉も、それぞれ乾燥しないように密封して冷蔵庫で保存します。葉のほうが早く鮮度が落ちるので2日くらいで調理してしまいましょう。カブ自体は4~5日くらいは大丈夫です。これからの寒い季節に甘味が増して美味しいカブを召し上がってください。

 

乱文になりましたがお付き合い頂きありがとうございました。

 

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