ブログ京橋店

2017.4.21

刺身について

4月も半ばになり、桜も咲き終わり新緑の季節になりますね。

今回は、刺身についてご紹介したいと思います。

 

<刺身の歴史>

刺身は、日本料理を代表する伝統的なもので、日本太古からの料理です。魚肉を生で食べるなます(膾)が、醤油の発達以来、刺身となりました。魚肉を細く切って酢味で食べるのがなます本来のもので、一口大に切ったものは軒(けん)といい、明治に入っても魚軒と書いたものは、刺身のことです。

 

“さしみ”は一般に刺身と書きますが、これは、魚を細く切ると何の魚なのかわからなくなるので、その魚のひれを、盛り付けた上に刺して出したことから、刺身というようになりました。

 

 

日本人は生魚が美味しいことを知っており、新鮮な魚介は、余計な調理加工せず、生で食べるのが最も良い食べ方であると考えていました。そして、京都のような海浜から遠いところでは、生魚の刺身を食べることは非常に難しかったので、そのために、とれた鮮度の良い魚を塩をして運び、煎り酒を使って、なますとして食べていました。煎り酒は、酒に梅干し、味醂、鰹節、煎り米などを加えて作る調味料です。

 

ですので、刺身は醤油ができてから急速に発達したようで、それまでは、生魚は酢で食べることが主でした。室町頃になって醤油が使われるようになり、生魚をおいしく食べることができるようになったのです。

現在でも、茶懐石の向付けには、なますが用いられています。

 

 

<「刺身」と「造り」>

さて、「刺身」は江戸時代に醤油が大量生産され始め、関東を中心に発達していきますが、その後関東から全国へ広まります。ですが、関西、特に京都では「刺す」という文字も縁起が悪いとのことで「造り身」と呼ばれ、そこから「造り」へと言葉が変化していきました。

また、一説によりますと「刺身」はさほど切り方・盛り付けに工夫がなく、鮮度を重要視した呼び名である一方、「お造り」には、ただ切り身にしただけではなく、松皮造りや昆布締めなど、手間をかけて造ったという意味も込められているといわれています。

 

現代では、関東が「お刺身」、関西が「お造り」という地域的な呼び名の違いではなく、牛や馬などの肉やこんにゃくなどの加工品も含め、新鮮な切り身全般の呼称として「お刺身」が使用されています。そして、魚の尾頭付きや船盛りのように盛り飾られた魚介類を「お造り」と呼ぶ傾向にあります。

 

 

<春の刺身>

さて、春に旬を迎える刺身をいくつかご紹介いたします。

まずは「細魚(さより)」です。中国名は「針口魚」。英語名は「half beak(半分のくちばし)」だそうです。名前の通りほっそりした身体付きで銀白色のきれいな魚です。口は小さく下あごが細く長く突き出ているのが特徴です。魚の中でも「美人」「麗人」と称されています。身は脂肪分が少なく、上品で淡泊な味わいです。

そして、「鯛」です。皆さんもよくご存知の、特に「桜鯛」とも呼ばれる「真鯛

」は、見た目も桜色で美しく、味も上品な甘みある味わいです。白と桜色の桜鯛の刺身は、桜を見ながら食べるというのが江戸時代から贅沢な楽しみとされています。

最後にご紹介するのが「槍烏賊(やりいか)」です。烏賊には種類が多くございますが、特に槍烏賊はぷりぷりしながらも柔らかい食感で、甘味があるのが特徴です。小さいお子さんも大人も好きな方が多いのではないでしょうか。皆さんがご存知も「ほたる烏賊」も3月〜6月にかけて産卵のために大量に押し寄せてきます。

 

色々とご紹介させていただきましたが、

お鍋と共に新鮮な魚介をご用意し、皆様のご来店をお待ちしております。

京橋店写真1

京橋店 料理長 中川昌明

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